No.15 フリースクール

 

フリースクールとは、日本では不登校等の問題を抱えた子どもたちが通う学校として認可されていない「私塾」的なイメージが強い。
 しかしながら、既存の学校制度による不自由さを批判し、新たな学校として作り出されたものをフリースクールと呼ぶ。

 イギリスのニイルが設立した、サマー・ヒル学園などがそのよい例で、日本では、ニイル研究者の堀真一郎が「きのくに子ども村」を設立している。

 教育という制度に対して、ある程度の選択の自由と自由意志を主張しようとすれば、フリースクールのような学校形態も必要ではないかと考えたりするが、実際に私も自らの教育理念に基づく学校を設立しようと考えたことがあるが、カリキュラムの作成が非常に難しく偏りのあるカリキュラムになってしまうところに大きな問題点があるように思う。

 学校に通えない子どものために、比較的ノンストレスな学びの空間を作り、まさに子どもの自由意志による学習を進めていくとしても、ある程度の強制力が働かなければ、均衡のとれた体系的な学習は成立しない。

 一方で、何のために学校が存在するのかということを考えたときに、現在日本で考えられているフリースクールは、子どもの今を保障するためのものである場合が多く、現実的に「子どもの未来」、もう少し具体的にいうと、子どもたちが社会に適応し、そこで何らかの労働に従事するだけの能力を身につけさせることが可能かどうかということに問題があるように思えてならない。

 私は、フリースクールは学校を補助するものとしての働きを担い、ダブルスクールとしての選択肢の中に入っていくと効果的に働くのではないかと考えている。学校との効果的な共存関係が成立するとき、学校も生き、フリースクールも生きて子どもたちを育む環境が成立すると言える。