No.14 教科担任制と学級担任制

 教科担任制とは、中学校や高等学校のことをイメージすると良いし、学級担任制は小学校の時のことをイメージすると良い。
 しかし問題は二点あり、

①小学校の学級担任制だと、クラス担任が全ての授業を担当するため、授業の専門性がどうしても低下してしまう。
②中・高等学校だと、クラス担任が授業をもっていなかったりして、生活集団としての指導が手薄になってしまう。

 つまりどの学校種においても、この二つを効果的に組み合わせていかなければならない現実に直面しているということだ。
 
 大事なことは、教科指導と生活指導の効果的な連携をはかることにあるんだけど、実際には、小学校での改革が先行している感じが強い。

 結論から言えば、学習者が複数の集団を行き来するような学習環境を創造することとなるんじゃないか。最も問題なのは、学習者がどういった集団に属して学習するかという点に選択の余地や幅が残されていないことに問題があるのだ。
 
 嫌な先生、嫌な同級生というのは理屈から言えば居てはいけないのだろうけれども、本音からいえば必ずいるもので、巡り合わせでそういう学習環境を与えられた場合、一年間逃れようもない状況に陥るのはやっぱり問題だと思う。

 となると、例えば指導者を複数にすること(T・T)や学習に対する適性や能力でクラス分けをすること(習熟度別クラス編成)や選択型のカリキュラムを置くことなど、どこかで自分の学習する環境に対して選択の余地を残して置いてやらないと、逃げ場を失ってしまいしんどいことになってしまう。

 学習も指導もそうだけれども、集団による協同作業化が進められ、選択の幅が学習者に開かれていく必要性が高いと言える。

 しかし、一方で例えば小学校の低学年などでは、カリキュラムの選択などは無理だし、習熟度で分けると差別化と競争が促進されるし、T・Tだと、責任が拡散してしまうので、問題は残っているんだけど、効果的に組み合わせていくことで、少なくともベターな方向性は生み出せると思う。