No.31 遊びと学び

 幼児教育における「遊び」は非常に重要な概念である。幼児は、遊びを通して様々なことを学ぶ。ゆえに幼児教育に携わるものは、様々な遊びを開発する努力を払っている。
 一変して、小学校に上がると、遊びは学びの反対側にあるもののように捉えられている。
 だから、子どもたちは勉強が嫌いになっていく。
 最近のゲームは良くできていると感動することが多いが、ゲームだけでなくテレビ番組にしてもそうだし、アミューズメント全般に遊び手のことをよく考えて作られている。
 子どもたちが家で学習するということはどういうことか考えてみて欲しい。ゲームやテレビや友だちと遊ぶ代わりに勉強をすることを選ばせなければならないのだ。これは非常に大変なことですよ。
 よほど脅すかよほどに責め立てるかしないと、ただやれといわれて出されたものを、他のアミューズメントと相対的に比べて選ぶ子どもはやっぱりどこかおかしい。

 教師は親と違って実際に勉強させなければならない仕事をしている。やれといってもやらないのは子どもが悪いと言えるのは教育の素人である親だけ。教師はあの手この手を使って学習させなければならない。
 そうしたら子どもたちが置かれているこういった家庭での状況をよく観察し、まさにあの手この手を考えなければならない。

 遊ぶことは楽しい。学ぶこともまた楽しい。でも楽しみ方や内容が違う。こう考えることは大切なことだ。遊びは勉強の反対ではない。こう教えてやるのも教師の大切な仕事だと思う。

 遊びと学びの関係をもう一度問い直してみることが重要である。