No.48 完全習得理論と適正処遇交互作用

①完全学習理論 マスタリーラーニングとも呼ばれる考え方。エリート教育が社会の進歩を目指したものであるとするならば、大衆教育は社会の治安の維持のためにある。近年、基礎・基本の重視が叫ばれている現状は、社会の治安の維持と深く関係している。 それほ…

No.47  バウチャー制度

①成立の背景 バウチャー(voucher)とは、利用券や引換券を意味する英語であり、個人を対象とする使途制限のある補助金の一種である。もともとバウチャーのアイデアは19 世紀中頃のフランスに遡るとされるが、学校教育機関の規制緩和に関連づけたものとして…

No.45 TT

①成立の背景 1955年に、ハーバード大学のケッペルによって考案された教授法。協力教授組織と翻訳される。この教授法はもともと、教室での一斉学習において、教師主導型の授業が主流をなしていた時代に、(現在もそういう授業をする教師はいるがだいぶん…

No.44 カリキュラム

今、教育も地方分権型に移行していこうとしている。6・3・3制も弾力化して、小・中一貫校や中・高一貫校などが作られてきている。 こういった流れと連動して、それぞれの学校がそれぞれの独自性を出す必要性に迫られている。「学校の独自性」を社会に説明…

No.43 学習性無力感

人間にとって学習とは、つねにプラスの方向性を持ったいるわけではない。「国語嫌い」や「算数嫌い」、なべて「勉強嫌い」も日々の学習の積み重ねによって獲得するものである。 特にここでいう「学習性無力感」とは、随伴性の問題に密接に原因があると考えら…

No.40  学習環境

社会学や心理学が、学校という制度や装置を分析の対象としはじめてから、学校というものが学習者に及ぼす様々な影響が明らかにされてきた。 その中で、我々教育に携わるものは、授業を工夫していく以上に学習環境を整備することに目を向けなくてはならないと…

No.39 中高一貫教育

大学入試と違って、高校入試は失敗させられないという意識が強い。中学三年の担任になると本当に強くそう思う。 中高一貫教育という考え方が1971年の中教審答申で示されてから、なかなか前に進まなかった中高一貫教育も、1997年6月第16期中教審答…

No.38 ハビトスと学習動機

学習動機が高いと学習効果も高いという相関性はあるようで、現実的にはそうでない場合もある。 すごくまじめに授業に参加し取り組んでいるのに、テストをすると良くできないという学習者が実際にいる。 こういった授業に積極的に参加する学習者は教師として…

No.37 エピソード記憶

認知科学の知見を教育に応用することは、この十年間様々な研究分野で進められてきた。正直、状況論に入りこんでから、微妙になってきたとはいえ、まだまだ実際の教育に有効な視点を与えてくれる。 短期記憶と長期記憶という記憶の分類も、認知科学がもたらし…

No.36 自己中心性

ピアジェの発達論の中でも、言語発達の問題と深く関係しているのは実は自己中心的思考から脱中心化への流れではないかと思っている。 幼稚園児を見ていると、空間や時間の概念を十分に獲得できていないために、自他の区別があんまりできない。 だから「ごっ…